【調査レポート】生成AIは農薬メーカーの製品をどう扱っているか(露出・表現・引用元)

情報更新日: ※測定は2026年10月16日・18日・20日です(検索データは10月19日取得)。

96%
製品名の検索のうち、AIの要約が出る語の割合
検索数ベース。語の数では35語中30語(Ahrefs、2026年10月)
13.8%
AIの回答に名前が挙がった製品(登録のある製品のうち)
作物×病害虫30組、延べ2,755ブランド
混用
製品名と一緒に検索される語(8語で比較)のうち、最も多くの製品で検索があった語
40製品中34製品(キーワードプランナー)
15/80回答
登録と食い違い、誤使用につながり得る説明
AIモード。40製品中9製品。ChatGPTは2/80

農家さんが生成AIに農薬のことを聞いたときに、自社製品が候補に挙がるか、強みと使い方が正しく伝わるかを調べました。Google 検索の AI モード(以下、AIモード)と ChatGPT に計500回の質問(本調査300、追加調査140、「一番効く」60)をし、回答を農林水産省の登録内容と各製品のメーカー公式ページに照らしました。製品名・メーカー名は伏せています。法令や業界の基準に照らした判断はしていません。

メーカーが知っておきたい5つの気付き

1製品ページより先に、AIの要約が読まれている
製品名の検索の96%(検索数ベース)は、検索結果の最上部にAIの要約が出る語でした。
確かめること主力製品の名前で検索し、最上部の要約に何が書かれているかを読む。
2名前が挙がるのは、多くの会社の名前や剤型で流通している製品
作物×病害虫で聞いた回答に名前が挙がった割合は、販売名・剤型が1つの製品で9%、7以上の製品で46%でした(1組あたり)。売上や歴史の大きさの表れでもあり、原因は分けられません。
確かめること主力製品と専門剤で、作物×病害虫の質問に名前が挙がるかを確かめる。
3多くの製品で検索されている「混用」で、AIはメーカーが保証しないことを言い切る
「混用」は、製品名と一緒に検索される語のうち最も多くの製品で検索がありました(40製品中34製品)。AIモードは80回答中13回答で、混用の書き方がメーカーと違いました。
確かめること「〇〇 混用」をAIに聞き、自社の混用事例の資料と比べる。
4AIは、質問に書かれた目的と立場に合わせて候補を変える
「農家です。出荷用に栽培しています」と添えると、家庭園芸用の製品が挙がる回答は9→0(20回答中、AIモード)。「一番効く農薬は?」に1つだけを答えた回答は、AIモード0、ChatGPT 3(各30回答中)でした。
確かめること農家さんが使う言い方(「一番効く」「代わり」)で聞き、自社製品の扱われ方を見る。
5成分名は正確。食い違うのは使える作物・回数・倍率と、特長の条件
有効成分名は155件すべて登録と一致しました。誤使用につながり得る説明はAIモード80回答中15回答、メーカーより程度を強めた説明は58回答にありました。
確かめること効果・注意事項・安全性の文を、自社ページと見比べる。

いずれも今回の結果からの示唆で、効果を実証したものではありません。

この調査の見方:農家がAIで製品を選ぶ3つの段階と、関わる担当

① 候補に入る
読者が知りたいこと作物・病害虫で聞いたとき、自社製品は挙がるか
この調査で見たこと名前の出現(露出)、挙がる製品の共通点、「一番効く」への答え
主に関わる担当マーケティング・技術普及・開発(適用拡大)
② 違いが伝わる
読者が知りたいこと比べられたとき、強みと使いどころが伝わるか
この調査で見たこと2製品の比較の仕方、代わりの候補、伝えたい強みが残ったか
主に関わる担当宣伝・技術普及・営業
③ 条件が伝わる
読者が知りたいこと使い方や注意事項が正しく説明されるか
この調査で見たこと登録との食い違い、条件の脱落、注意事項の変化、混用
主に関わる担当登録・お客様相談・技術普及

農家の調べ方が変わった:製品ページの手前に、AIの要約がある

検索結果の画面で調べ終え、サイトを開かない「ゼロクリック」は、2026年7月に68.1%となり、2025年9月の63.5%から上がっています(日経クロストレンド、2026年10月18日。ヴァリューズの推計)。今回の40製品の名前で検索すると、検索数ベースで96%がAIの要約が出る語でした(Ahrefs の記録。毎回必ず出るという意味ではありません)。

製品名だけ 35語製品名だけ:96%96%製品名+使い方・混用など 20語製品名+使い方・混用など:87%87%作物×病害虫 43語作物×病害虫:59%59%
Ahrefs Keywords Explorer(日本)で2026年10月に取得した、各語の月間検索数と検索結果に出る機能。検索数の合計に占める、AI Overview が出る語の検索数の割合(検索数0の語は除く)。AI概要の表示は検索ごとに変わります。出典:agri-koukoku.com 調べ

メーカーのお問い合わせ窓口には、すでに「AIにこう言われたが、この使い方で合っているか」という質問が来ています。JAの営農指導員や販売店の担当者がAIで下調べをすることも考えられます。

① 候補に入る:名前が挙がるのは、どんな製品か

作物×病害虫30組で「△△の□□に効く農薬を教えてください」と聞くと、登録のある製品(延べ2,755ブランド)のうち名前が挙がったのは13.8%でした。挙がった名前の40.0%を各組の上位3ブランドが占め、顔ぶれは回やサービスで入れ替わります。製品名の検索数とはほとんど関係がありませんでした(順位相関0.12)。

登録のある製品を、登録の幅(30組のうち何組に登録があるか)と、販売名・剤型の数(提携先が自社の名前で販売している数と、剤型の数)で分けて比べました。

30組のうち1組だけに登録 288ブランド30組のうち1組だけに登録:12%12%2〜3組 4192〜3組:10%10%4〜6組 2194〜6組:12%12%7組以上 507組以上:28%28%
30組に登録のある976ブランドを、登録のある組の数で分け、登録のある組ごとにAIの回答(2サービス×2回)に名前が挙がった割合(延べ2,747組のうち376組。集計の単位が違うため、登録の照合の延べ数2,755とはわずかに異なります)。出典:agri-koukoku.com 調べ
販売名・剤型が1つ 721ブランド販売名・剤型が1つ:9%9%2〜3 2052〜3:17%17%4〜6 404〜6:41%41%7以上 107以上:46%46%
同じ製剤を別の会社が自社の名前で販売している数と、剤型の数を合わせた「販売名・剤型の数」で分けた、1組あたりの割合

登録の幅は6組までは差がなく、7組以上に登録のある50ブランドだけが高く出ました。差がはっきりしていたのは販売名・剤型の数で、同じ組の中で比べても同じ向きでした(挙がったブランドの販売名・剤型の数の中央値2、挙がらなかったブランド1)。

多くのページに書かれている製品ほど、AIの回答に引用されやすいと考えられます。ただし販売名・剤型の数は売上や歴史の大きさの表れでもあり、このデータでは原因を分けられません。県の防除指針やJAの防除暦への掲載、適用拡大が、名前が挙がるかどうかに関わっている可能性もあります。効果は次回の調査で確かめます。

参考:AIの引用についての公開情報

Google Search Central「AI Features and Your Website」(2025年12月更新):AI Overviews と AI Mode は、元の検索に関連する検索も行い、幅広いリンクを表示する。表示されるには索引登録が必要で、特別なマークアップは不要。

Ahrefs(2026年3月、86万件の検索結果):AI Overviews の引用URLのうち、元の検索の上位10件にあったのは37.9%。Ahrefs(2025年5月、7.5万ブランド):AI Overviews での露出と最も相関が高いのはブランドのWeb上の言及(順位相関0.66)で、被リンク(0.22)より強い。いずれも相関で、因果ではない。

「一番効く農薬は?」と聞かれたら、AIは何を1番にするか

作物×病害虫30組で「〇〇の□□に一番効く農薬は何ですか?」と聞いた回答(各サービス30件、2026年10月20日)。判定2回の一致分(AIモード24/30、ChatGPT 29/30)
「一番効く農薬は?」への答え方AIモードChatGPT
1つを挙げた03
複数を並べて1位を示した76
場面で分けた120
順位をつけなかった(「一番は決められない」を含む)520
「状況による」「登録を確認」などの留保を付けた2930
地域・発生状況などを聞き返した3030

AIモードは「単一の特効薬はない」と書いたうえで、予防と治療、苗箱と本田のように場面で分けて挙げ(12回答)、ChatGPTは2〜4剤を並べて「順位ではない」と添えていました(20回答)。筆頭に置いた理由として書かれていたのは、AIモードでは効果の高さ(記述)(29)、抵抗性の出にくさ(20)、残効(19)、ChatGPTでは登録の広さ・使いやすさ(13)、指導機関・防除暦の推奨(7)、効果の高さ(記述)(7)です(判定2回が一致した回答数)。

② 違いが伝わる:比べられたとき、強みと使いどころは残るか

メーカーが伝えたい強みは、回答に残ったか

メーカーの製品ページが掲げる特長を3つずつ選び、回答に条件つきで残ったか、条件が落ちたか、程度が変わったか、出てこなかったかを見ました。

6製品×特長3つ×各サービス2回答=各36判定。判定2回の一致分を数え、分かれたものは照合の担当が決めました
メーカーの特長は、回答でどう扱われたかAIモードChatGPT
条件つきで伝わった2320
特長は伝わったが条件が落ちた45
程度が変わった(強く)90
程度が変わった(弱く)08
回答に出てこなかった03

AIモードは36判定中23で特長が条件つきで残り、変わるときは強める向きだけでした(9件。「病斑進展阻止」を「治療」に、特長の見出しを「特効薬」に、ハチの翌日導入の対象を「有用昆虫」に広げる、など)。ChatGPTは20で条件つきで残り、強めることはなく、「比較的」と弱める(8件)、条件を落とす(5件)、特長に触れない(3件)向きでした。両サービスで同じように条件が落ちた例もあります。「散布した薬液が乾いた後であれば」雨に強い、という特長は、4回答すべてで「乾いた後であれば」が落ちました。6製品・各サービス2回の結果で、特長は当社が条件つきのものを優先して選んだため、条件が落ちやすい側に寄っています。

2つの製品を並べて聞くと

「△△と▽▽はどう違いますか?どちらがいいですか?」には、両サービスとも20回答すべてで、発生状況や前回の薬剤など選ぶための条件を挙げました。AIモードは全回答で速効性・残効などの差を製品名つきで述べ、2回答では条件しだいの選択を「〇〇のほうがよい」と言い切りました。11回答には、どちらかの製品の登録と違う説明がありました(主に、その作物に登録のない害虫を「同時に防除できる」としたもの。ChatGPTは0)。

製品ページや技術資料が、選ぶための条件ごとに登録の範囲内の試験成績を条件と時点つきで示していれば、確かめたい農家さんが資料請求や問い合わせに進めます。

「ほかにどんな農薬がありますか」と聞くと

AIモードChatGPT質問だけ一言添えた質問0%10%20%30%40%50%家庭園芸用の製品が挙がった回答AIモード:45% → 0%45%→0%ChatGPT:10% → 5%10%→5%同じ成分・同じ系統の候補AIモード:19% → 3%19%→3%ChatGPT:12% → 9%12%→9%
上:作物と病害虫だけの質問と、「農家です。出荷用に栽培しています。」を添えた質問(10組×2回、各20回答に占める割合)。下:「ほかにどんな農薬がありますか」と「抵抗性対策として次に使う薬剤」(20製品、候補の延べ数に占める割合)

「ほかに」と聞くと、AIモードの候補の19%が聞いた製品と同じ成分・同じ系統でした。「抵抗性対策として」と添えると3%です。今回の質問は予防のローテーションの聞き方で、「抵抗性がついた」とは書いていません。「効きが悪い、抵抗性がついたようだ」という聞き方への答え方は、次回の調査で確かめます。

③ 条件が伝わる:使い方と注意事項は、正しく説明されるか

製品名で「どんな農薬ですか?特徴と注意点を教えてください」と聞いた回答(各サービス80回答)を、登録内容と、メーカー公式ページの表現と見比べました。

AIモードChatGPT効果の高さを、メーカー以上に強調AIモード:42回答(80回答中)42回答ChatGPT:0回答(80回答中)0回答注意事項を、メーカーより厳しくAIモード:26回答(80回答中)26回答ChatGPT:0回答(80回答中)0回答安全性の高さを、メーカー以上に強調AIモード:11回答(80回答中)11回答ChatGPT:0回答(80回答中)0回答メーカーが添えた範囲・条件を落としたAIモード:26回答(80回答中)26回答ChatGPT:4回答(80回答中)4回答登録と食い違う(誤使用につながり得る)AIモード:15回答(80回答中)15回答ChatGPT:2回答(80回答中)2回答根拠を確かめられない数値を書いたAIモード:21回答(80回答中)21回答ChatGPT:3回答(80回答中)3回答
製品名で聞いた回答(各サービス80回答=40製品×2回)のうち、その文を1つ以上含む回答の数。1回答が複数の行に当たることがあります。件数は確かめられた分で、実際はこれより多い可能性があります。出典:agri-koukoku.com 調べ

食い違いには2つの向きがあります。登録のない作物に使えると読める、登録より多い回数や濃い倍率を書く、といった誤使用につながる向きと、収穫前日まで使えるものを「14日前まで」とする、「注意」を「絶対に使用しない」とする、といったラベルより厳しい制限が伝わる向きです。後者も、使える場面が使われなくなり、お問い合わせで説明が食い違う原因になります。

混用混用:34製品(40製品中)34製品(85%)効果効果:23製品(40製品中)23製品(57%)使い方使い方:22製品(40製品中)22製品(55%)残効残効:9製品(40製品中)9製品(22%)倍率倍率:7製品(40製品中)7製品(18%)ドローンドローン:3製品(40製品中)3製品(8%)ローテーションローテーション:2製品(40製品中)2製品(5%)ハチハチ:0製品(40製品中)0製品(0%)
Google キーワードプランナー(2025年10月〜2026年9月の月平均)。40製品について製品名+8語の月間検索数を取得し、検索数が0より大きかった製品の数。検索数の合計では「使い方」が最も多く(5,760。「混用」は1,930)、家庭園芸でも売られる製品の検索が大きい分です。検索した人が農家かどうかは分かりません。出典:agri-koukoku.com 調べ

事例:「混用」で何が起きたか

AIの回答
製品名で特徴と注意点を聞いた回答で、AIモードは「〇〇と混用すると、効果の低下や薬害を招く原因になるため避けてください」と書いた
メーカーの資料
「〇〇と混用する場合は、本剤を調製した後に混合してください」。混用する場合の手順で、避けるようには書いていない
農家の判断への影響
混用の事例がある組み合わせが避けられる。逆に「混用できます」と言い切った回答は、事例のない組み合わせでの薬害につながり得る
メーカーが確かめること
混用事例を公開している製品は、表を文字で載せ、試験の条件・時点と「事例であり、結果を保証するものではありません」を同じ表に置く。公開していない製品は、販売店・JA向け資料とお客様相談の想定問答で答え方をそろえる
食い違いの例と、注意事項・安全性の書き方の変化を見る

製品名で聞いたAIモードの回答にあった食い違いの例(1製品1行。製品が特定されないよう、書き方の型で示しています)

登録のない作物
回答「野菜・果樹・茶などのハダニ類に」
登録果樹の登録がない
推定される原因の型同じブランドの別剤型に果樹の登録がある
登録のない作物
回答「果樹や野菜、バラなどの園芸植物に」
登録観賞用のバラの登録がない
推定される原因の型食用の登録を園芸植物に広げた
登録のない害虫
回答「アブラムシ類、アザミウマ類、コナジラミ類…を同時に防除」
登録コナジラミ類の登録がない
推定される原因の型同じ系統の他剤の適用を混ぜた
倍率(濃い)
回答(ある葉菜で)「1000倍〜2000倍程度」
登録その作物は2000倍のみ
推定される原因の型他の作物の倍率の幅を当てた。メーカーページに適用表の文字がない
回数(多い)
回答「いちご・トマトは2〜3回以内」
登録いずれも2回以内
推定される原因の型同上
時期(狭い)
回答(ある鱗茎類で)「収穫14日前まで」
登録収穫前日まで
推定される原因の型他の作物の日数を当てた

注意事項をメーカーより厳しくした例

言い方だけ厳しく
メーカー(ハチを放飼中の施設では)使用をさけてください
AIモード絶対に使用しないでください
条件つきの使い方が禁止に
メーカー(〇〇と混用する場合は)本剤を調製した後に混合してください
AIモード(〇〇と)混用すると、効果の低下や薬害を招く原因になるため避けてください
注意が禁止に
メーカー薬害が認められた事例がある品種(注意)
AIモード(その品種には)絶対に使用しないでください
ラベルの区分が変わる
メーカー眼に対して刺激性
AIモード眼に対して強い刺激性
安全性の高さを強調した例(製品名は伏せています)。このほか、有機栽培で使えることを「制限なく使用可能」とした回答もありました(有機JASで使える農薬にも使う条件があります)
メーカーのページの書き方AIモードの回答変化
(天敵・訪花昆虫に)影響が少ない影響が極めて少ない程度
ミツバチ・マルハナバチに影響が少ないミツバチやマルハナバチ、天敵類に対する安全性が高い対象を広げた
粉立ちが少ない吸い込みにくく安全です言い切り
メーカーの資料と食い違う内容の例(製品が特定されないよう、メーカーの文も言い換えています)
メーカーの資料回答分類
(〇〇には)安全性に優れます〇〇などに対して強い影響があります(AIモード)明確な矛盾
養魚田では使用しないこと人畜や魚類への毒性が低い(AIモード)明確な矛盾
一部の作物・時期で汚れのおそれがある低濃度で効くため作物が薬液で汚れにくい(AIモード)例外・条件の省略
一部の発育段階では効果の現れが遅い事例がある散布後、速やかに効果を発揮し(AIモード)例外・条件の省略
(技術資料)〇〇の条件でも効果を確認メーカーは、〇〇の条件での使用を推奨しています(ChatGPT)確認した資料にない使用条件を、メーカーの推奨として書いた
食害を速やかに止めるわずか数時間(約3時間)で食害をやめて(AIモード)根拠を確かめられない数値

数値は、メーカーの製品ページと、文字で読める技術資料で根拠を確かめられなかったものです。技術資料やチラシが画像だけで読めなかった製品もあるため、根拠がないとは言えません。ChatGPTの例は、確認した資料にない使用条件を「メーカーは〜を推奨しています」と書いたもので、回答が引用していた登録者のグループ会社のページは確かめていません。1件だけですが、確認した範囲の資料にない使用条件がメーカーの推奨として書かれていました。

登録と食い違った文(AIモード18文)のうち、メーカーの公式資料に正しい適用表が文字で載っていたのは9文、提携先の資料にだけあったのが6文、文字では載っていなかったのが3文です。提携先のページにしか文字の適用表がない製品では、回答が提携先のページを引用していました。

10月15日の別の調査では、名前の近い別の製品(剤型や成分量が違うもの)に登録があると、登録のない使い方を「使える」と答えた回答が10.3%、近い作物(トマトとミニトマトなど)に登録があると19.4%でした。「ミニトマトには登録がありません」「〇〇粒剤とは適用が異なります」と文字で書いておくことを勧めます。

判定の確かめ方

判定の確かめ方 判定は同じAI(Claude)で2回行いました。同じAIの2回の判定は、人2人による確認と同じではありません。「同じ」以外とされた文と判定が分かれた文は、別のAIモデル(Claude Opus)がメーカーのページの文と農水省の登録データベースで確かめました。本文の表に示した例は、当社の担当者が回答の原文・メーカーのページ・登録データベースで確かめています。2回とも「同じ」とした文から無作為に選んだ120文を、サービス名を伏せて照合し直すと、12文は「同じ」ではありませんでした(AIモード60文中7文、ChatGPT60文中5文)。無作為に選んだ20件の回答では、判定が取り出さなかった特長の文が1件あたり平均3.4文あり、その一部(9文)は範囲が外れた文やメーカーの表現以上に強調した文でした。この節の件数は確かめられた食い違いの数で、網羅的な誤りの率ではありません。実際の件数はこれより多い可能性があります。メーカーのページは2026年10月に取得したもので、回答の日(10月16日)以降に更新されている可能性があります。

メーカーが取れる対策

見つかった食い違いは、確認できた状況ごとに対応が変わります。原因がメーカー側にないものは、サイトの改修では直りません。

見つかった食い違いの対応:確認できた状況ごとに。登録と食い違った文と、メーカーの表現から変わった文、計104文(AIモード)を分けました。1文は1つの区分にだけ数えています

自社の資料に、文字の情報がない・条件が離れている
次の対応自社の製品ページを直す(下の点検表)
今回の件数(AIモード)19文
メーカー以外のページが引用されていた(中身は未確認)
次の対応引用先に同じ記述があるか確かめる。特約店・JA系統を通じて販売店・ECの商品ページに改訂の資料を届け、取引のないサイトには問い合わせ先から訂正をお願いする
今回の件数(AIモード)45文
公式の情報は文字で正しいのに、回答が違う
次の対応画面と日時を記録し、回答の下にある評価・フィードバックの機能から誤りを指摘する。お客様相談の想定問答に入れ、半年ごとに同じ質問で確かめる
今回の件数(AIモード)34文
根拠となる資料をまだ確認できていない
次の対応判定を保留し、次回の調査で確かめる
今回の件数(AIモード)6文

製品ページの点検表(AIへの効果の保証ではなく、読む人が正確に理解するための項目)

製品を区別できるか
正式名称、剤型、登録番号、成分と含有量が文字で確認できる。同じブランドの別剤型との違いが書いてある
特長の対象が分かるか
どの作物・病害虫・発育段階・処理方法についての特長かが、同じ文で分かる
数値の条件が分かるか
効果の速さや残効の数値に、試験の条件と出典が付いている
特長と注意事項がつながっているか
特長だけを読んで、適用範囲や安全性を広く受け取ってしまわないか。「〜に対して」の対象が落ちていないか
混用の情報が文字であるか
混用事例を公開している場合、表と、調製の順序などの条件、「事例であり結果を保証しない」の一文が、画像・PDFでなく文字で読める
最新情報に到達できるか
適用表とラベルへの導線があり、「〇年〇月現在」の更新日が分かる
関連サイト間で食い違っていないか
同じ製剤を自社の名前で販売する提携先のページ、販売店の商品ページ、古いPDFと内容がそろっている

販売店・JA向けに用意しておくもの

確認済みの短い製品説明文(特長と、その条件を同じ文に)
販売店・ECの商品ページに転記されても、条件が残る
最新のラベル・適用表へのリンクと、更新日・変更点
登録の変更のあと、古い説明が残らない
混用事例の資料(文字。公開範囲は各社の方針で)
多い質問に、販売店が自分で答えられる
AIの回答で多い取り違えの想定問答
「AIにはこう言われた」への答え方をそろえる

長い期間で見る数字として、指名検索の数に加え、①主要な作物×病害虫の質問で自社製品が挙がる割合(掲載率)と、②製品名の質問で説明が自社のページ・ラベルと合っている割合(説明の一致率)を、半年ごとに同じ質問で測ることを勧めます。①は登録や流通の影響が大きいので、目標ではなく動きを見る数字として扱います。

自社で確かめる最小の手順は、主力製品について「〇〇はどんな農薬ですか?特徴と注意点を教えてください」「〇〇の□□に効く農薬を教えてください」「〇〇 混用」の3問を、AIモードと ChatGPT に聞くことです。詳しい手順はQ26に、製品ページの見直し方は農業資材メーカーの製品サイト改善にまとめています。

次回は2027年春頃に同じ方法で調べ直します。協力いただける製品があれば、製品ページを直した製品と直していない製品を比べて報告します。

この調査への疑問と回答

製品や組み合わせを当社が選んでいます。調査の意味はあるのですか?

この調査が示すのは、登録されている農薬全体の比率ではなく、AIの回答にどんな食い違いがどのくらい見つかるか、です。製品と組み合わせは回答を集める前に決め、登録者を14社に分散し(1社あたり5製品まで)、取引の有無で外したり残したりはしていません。製品名・会社名を伏せているのは、特定の製品や会社の評価として読まれないようにするためです。自社製品に当てはまるかは、同じ質問で確かめられます(Q26)。

AIに判定させた結果を、信用してよいのですか?

判定は同じAIで2回行い、「メーカーと同じ書き方」以外とされた文はすべて別のAIモデルが原文・メーカーのページ・登録データベースで確かめました。ページに載せた例は、当社の担当者が原文で確かめています。「同じ」とされた文から無作為に120文を照合し直すと12文は同じではなかったため、件数は「確かめられた分」として示しています。メーカーのページは表現の変化を見るための基準で、ページの正しさは評価していません。

2つのサービス、特定の日、この件数で、何が言えるのですか?

AIの回答は時期・聞き方・ログインの有無で変わり、今回も1回目と2回目で挙がる製品が入れ替わりました。一方、メーカーの表現以上に強調した説明は、AIモードでは40製品中22製品で2回とも見られました。割合を農薬全体に広げるのではなく、どんな食い違いが何回答・何製品で見つかったかを示しています。2027年春頃に同じ方法で調べ直します。

ChatGPTのほうが優れている、ということですか?

そうは言えません。ChatGPTの回答はメーカーの表現に近く、根拠を確かめられない数値や製品名つきの比較が少なめでした。AIモードは多くのページを引用し、候補も多く挙げていました。どちらが農家さんの役に立つかは測っていません。

AIの回答は広告ではありません。メーカーが気にする必要があるのですか?

メーカーに責任があるものではありません。ただ、農家さんが製品を調べる場所の一つになっており、登録と違う使い方の説明が読まれれば、誤使用や製品の評判に関わります。自社で直せるもの、ほかのページの運営者に頼むもの、記録してサービスに知らせるものを分けて対応することを勧めています。

調査の方法

項目内容
調査の性格2つのサービス・特定の日の回答から傾向を探る探索的な調査です。対象は殺虫剤・殺菌剤が中心です
測定日2026年10月16日(作物×病害虫と製品名の質問は2回ずつ、農家であることを明記した質問は1回)。追加調査は10月18日(代わり・比較・抵抗性対策の質問、農家であることを明記した質問の2回目)。「一番効く」の質問は10月20日
AIサービスと取得の条件Google 検索の AI モード(画面の表示は「AI モード」)と ChatGPT(画面上部の表示は「ChatGPT」のみで、モデル名の表示なし。回答中にウェブ検索の表示が出たものを含む)。いずれもログインなし、言語は日本語、地域は日本(ブラウザ既定)。1問ごとに新しいページを開き直して聞きました。回答の原文と引用先は保存し、追加調査では書き写した文字を画面の文字と突き合わせて確かめました
件数300件(作物×病害虫120件、農家であることを明記した質問20件、製品名160件)と、追加調査140件(代わり40件、比較40件、抵抗性対策40件、農家であることを明記した質問の2回目20件)。さらに10月20日に「一番効く」の質問60件
作物×病害虫の質問30組。水稲・麦・大豆・露地野菜・施設野菜・果樹・茶・とうもろこしから、主要な病害虫を選びました。「△△の□□に効く農薬を教えてください」
30組の一覧水稲(カメムシ★・いもち病★・ウンカ・紋枯病)、小麦(赤かび病)、大豆(カメムシ)、とうもろこし(アワノメイガ)、じゃがいも(疫病★)、キャベツ(コナガ★・根こぶ病)、白菜(軟腐病)、大根(キスジノミハムシ)、玉ねぎ(べと病)、ねぎ(アザミウマ★)、トマト(コナジラミ★・灰色かび病・葉かび病)、きゅうり(うどんこ病★・べと病)、なす(アザミウマ★・ハダニ)、ピーマン(アブラムシ)、いちご(ハダニ★・うどんこ病)、ぶどう(べと病★)、りんご(黒星病)、梨(黒星病)、桃(せん孔細菌病)、みかん(そうか病)、茶(炭疽病)。★は「農家です。出荷用に栽培しています。」を付けた質問でも聞いた組です。組ごとの結果は、挙がった製品から会社が分かるため示していません。
製品名の質問登録が有効な殺虫剤(殺ダニ剤を含む)23製品と殺菌剤17製品の計40製品。無作為ではなく、1社に偏らないよう登録者を分散させて当社が選びました(14社、1社あたり1〜5製品)。結果は40製品についてのもので、登録されている農薬全体を代表するものではありません。製品名・会社名は伏せ、特定できない形で示しています。「◯◯はどんな農薬ですか?特徴と注意点を教えてください」
判定同じAI(Claude)による2回の判定と、別のAIモデル(Claude Opus)による確認。同じAIの2回の判定は、人2人による確認と同じではありません。2回とも同じとした文は、無作為に選んだ一部だけを照合し直しました。本文に示した例は、当社の担当者が回答の原文・メーカーのページ・登録データベースで確かめました
分からないことAI全体の傾向や製品の良し悪しを示すものではありません。AIの回答は時期・利用者・聞き方で変わります。法令や業界の基準に照らした判断はしていません
照合と集計の詳しい規則
項目内容
メーカーの書き方との比較40製品のメーカー公式ページと、文字で読める技術資料(2026年10月取得)を基準に、製品名の質問の回答(160件)から効果・効く範囲・安全性・使い方を述べた文を取り出して分類しました。ラベルの注意区分の定型句「影響がある」を言い換えただけのものは、数に入れていません。注意事項を緩めた向きは、今回の区分にはありません
登録の照合登録の正誤は、登録番号×作物×病害虫の組み合わせで照合しました(使用方法・時期・倍率は、製品名の質問の回答で照合)。作物は、農林水産省の「作物分類」(作物群ごとの分類表)と登録情報提供システムの作物コードの階層に沿って、質問の作物を含む作物群の登録も含めました。「〇〇を除く」と書かれた群は、質問の作物が除かれていれば含めていません。ねぎに対するあさつき・わけぎのように、分類上別の作物とされるものは含めていません。作物群と個別の作物の両方に登録がある製品で、個別の作物の登録を優先する扱いは反映していません。照合の規則を見直して直した後の数え直しでは、名前が挙がった割合は13.9%から13.8%になりました
露出の集計の単位販売元の違い(同じ製剤を別の会社が自社の名前で販売するもの)と剤型の違いをまとめたブランドで数えました。剤型を書かずにブランド名だけを挙げた回答は、その組に登録のある剤型が1つでもあれば「登録のある製品」に数えています。剤型まで厳しく照合する、または特定できない名前を判定保留にすると、名前が挙がった割合は13.0〜14.5%の範囲で変わります
追加調査:代わり・比較・抵抗性対策20製品×各質問×2サービス。挙がった製品は農水省の登録データベースで特定し、聞いた製品との関係(同じ製品の別名・同じ会社・同じ成分・作用機構の分類)をスクリプトで決めました。作用機構の分類は、IRAC・FRACの作用機構分類(日本語版、2025年)。比較の1件は、質問文の誤字のため新しい会話で聞き直しました
検索データGoogle キーワードプランナー(当社の広告アカウント、2025年10月〜2026年9月の月平均。検索数は丸められた値)、Google トレンド(日本、2021年10月〜2026年10月)。製品名の検索数との比較は、40製品と比較の質問の相手7製品のうち、一般の言葉と同じ名前の語を除いた43製品で行いました
改訂2026年10月に一時公開した版では、表現を語の種類(最上級など)で数えていました。メーカー自身も根拠を添えて「卓効」のような言い方を使うことから、各製品のメーカーのページと比べる方法に改めました。その後、外部の意見と業界の目での査読を受けて、違いの種類と食い違いの向きを分け、確かめ方を加えて数え直しました。2製品の比較は、前の版の数え方(製品名を挙げて優劣を書いた回答)は、新しい基準(製品名を挙げて特長の差を述べた回答)に改めました。新しい基準ではAIモード20件です
検索データ(追加)Ahrefs Keywords Explorer(日本、2026年10月19日取得):製品名40語・製品名+語200語・作物×病害虫90語の月間検索数と、検索結果に出る機能(AI Overview など)。Google キーワードプランナー(2025年10月〜2026年9月の月平均):製品名×8語=320語
挙がる製品の共通点30組に登録のあるブランドを、登録のある組の数と、販売名・剤型の数(同じ製剤を別の会社が自社の名前で販売している数と、剤型の数)で分け、登録のある組ごとに名前が挙がった割合(1組あたり)を比べました。同じ組の中での比較も行いました。登録の幅と販売名・剤型の数は売上の代理指標でもあり、因果は分けられません
伝えたい強みは残ったか6製品(殺虫剤3・殺菌剤3)について、メーカーのページの特長を3つずつ当社が選び、4回答(2サービス×2回)での扱いをAI(Claude)2回の独立した判定で分け、分かれたものは別のAIモデルが確かめました。特長は条件つきのものを優先して選んだので、条件が落ちやすい側に寄っています
「一番効く農薬は?」の質問作物×病害虫30組で「〇〇の□□に一番効く農薬は何ですか?」と聞きました(2026年10月20日、各サービス30件)。答え方と、1番とした根拠、留保の有無をAI2回の判定で分け、1番に置かれた製品の登録の有無を農水省の登録データベースで照合しました

出典・注意点

  • 出典:agri-koukoku.com 調べ(運営:株式会社スパークル。2026年10月16日・18日・20日測定。検索データは10月19日取得)。照合には、農林水産省「農薬登録情報提供システム」の登録内容と、各製品のメーカー公式ページを使いました。作用機構の分類は、IRAC・FRACの作用機構分類(日本語版)をもとに当社で照合しました。検索のデータソース:Google キーワードプランナー、Google トレンド(https://www.google.com/trends)。
  • 製品名・メーカー名・有効成分名・サイト名は公表していません。回答とメーカーのページの文は、特定につながる語を伏せたり言い換えたりして示しています。

要約(PDF・A4で2ページ):調査レポート2026 要約

主力製品(3〜5剤)をこの調査と同じ質問で点検し、製品ページや販売店向け資料の直し方を整理するご相談を受けています。1製品分の確認結果の見本をお見せできます(お問い合わせ)。

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