考え方
年間100万円は、月に直すと8万円ほどです。複数の媒体に少しずつ出すと、どれも反応を確かめられるだけの量になりません。絞るのは製品と伝える内容で、届ける相手はその製品の買い手全体に取ります。
Ehrenberg-Bass Institute は、広告の効果が大きく表れるのは「まだ見たことがない人に1回届くとき」で、短い期間に集中するより、期間を延ばして途切れずに出すほうが多くの人に届くとしています。同研究所の研究者は、小さなブランドでも広告に最低の予算はなく、作れる広告が少ないぶん、多くの人に当てはまる場面を選ぶよう勧めています。
ただ、農業資材は防除や予約の時期に需要が集まります。John Dawes 氏(同研究所)は、買い替えまでの期間から「いま購入を検討している人の割合」を計算できるとしています。年1回の作期の製品なら、作期前の数か月に検討する人が集中するので、その時期を厚くし、残りの期間も少額で出し続ける形が考えられます。
試算の例です(前提:税別、写真・動画は既存の素材を使う、人件費は含まない)。
- 製品ページの見直しと計測の整備:30万円(年1回)
- 検索広告(製品名・困りごとの言葉):通年で月2万円×12か月=24万円
- 需要が高まる時期の上乗せ(検索・動画):月7万円×3か月=21万円
- 販売店・JA向けの資料とチラシ:25万円
この配分は一例です。効果を確かめたい場合は、配信する産地と配信しない産地を分けて、問い合わせや指名検索の動きを比べる方法もあります。これは研究者の推奨ではなく、少ない予算で判断材料を得るための設計です。
現場でよくあること
予算が少ないと、広告の配信だけに使い、製品ページの整備や計測を後回しにしがちです。広告から来た人が製品ページで知りたいことを見つけられないと、配信した費用が問い合わせにつながりません。
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出典:Ehrenberg-Bass Institute「Making Media Work: Key Media Principles for Brand Growth」、Alicia Barker「Small but mighty: tiny brand advertising strategies」(B&T、2022年11月)、John Dawes「Advertising effectiveness and the 95-5 rule」(LinkedIn B2B Institute、2021年)。いずれも農業資材を対象とした研究ではありません。